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企業や組織がESGやサステナビリティページを制作する際に気をつけたいこと

企業や組織がESGやサステナビリティページを制作する際に気をつけたいこと

サステナビリティやESGに対する取り組みを発信する重要性が高まっています。本記事は、企業や組織が、サステナビリティやESGに関するウェブページを制作する際に、最低限盛り込みたい情報を解説します。

サステナビリティページはなぜ必要?

先進国を中心に、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字をとったESG投資が注目されています。そのため、企業は財務情報だけでなく、中長期的な企業成長の源泉やリスクマネジメントの鍵となる非財務情報を開示することが求められています。また、企業がサステナビリティ推進に取り組み、それらの情報を積極的に発信することは、企業の信頼やイメージの向上に繋がります。よって、企業のサステナビリティに関する情報発信は、今後さらに重要度が増していくでしょう。

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サステナビリティページに必要な5つのポイント

企業が自社のウェブページでサステナビリティの情報を開示する際、最低限押さえておきたい5つのポイントについて紹介します。

  1. トップメッセージ
  2. サステナビリティ方針とマテリアリティ(重点課題)
  3. ESGにおける具体的な取り組み
  4. レポートや資料
  5. 活動記録

トップメッセージ

サステナビリティページの冒頭には、トップメッセージを記載します。多くの場合、トップメッセージは、代表取締役の名前、顔写真、代表取締役のメッセージ、サステナビリティ方針という4つの要素で構成されています。サステナビリティ方針は、環境的・社会的課題に対して、企業や組織がどのような方針で取り組んでいくのか、分かりやすく記載されていることがポイントです。

サステナビリティ推進戦略は、特定の部署だけでなく、企業や組織全体で取り組むことが重要です。そのため、サステナビリティページの冒頭にトップメッセージを掲載することで、企業や組織全体でサステナビリティ推進に取り組んでいるというメッセージを視覚的に伝えます。

サステナビリティ方針とマテリアリティ(重点課題)

トップメッセージの次は、自社のパーパスやマテリアリティ、実現したい世界観や社会像について分かりやすく伝えます。

例えば、こちらは味の素株式会社の事例です。

引用:味の素株式会社 – サステナビリティページ

掲げたパーパスを実現するために、どのような課題に対して重点的に取り組む必要があるのか。具体的なアクションと共に記載されています。環境的・社会的課題は、多岐に亘ります。よって、全ての課題に取り組むのではなく、自社が優先的に取り組む課題を特定することが重要です。ESGに関する情報開示に積極的な企業の多くは、自社のマテリアリティ特定を行なっているでしょう。

味の素は、マテリアリティについてステークホルダー別のマップを作成するなど、視覚的にも理解できる工夫を行なっています。

マテリアリティ ステークホルダー別マップ
引用:味の素 – マテリアリティ ステークホルダー別マップ

マテリアリティの特定方法(特定プロセス)やサステナビリティ推進体制も記載します。

味の素 - サステナビリティ推進体制
引用:味の素 – サステナビリティ推進体制

具体的な取り組み

自社が特定したマテリアリティに対する具体的な取り組み方法について記載します。記載方法は、主に2つのパターンがあります。

①マテリアリティに沿って記載する

味の素は、各マテリアリティに対する解決アプローチを記載しています。同社は以下4つのマテリアリティを掲げています。

味の素 - マテリアリティ特定
引用:味の素 – マテリアリティ特定
  1. 共創力
  2. 生活者視点
  3. ウェルビーイング
  4. 価値共創(ASV)

それぞれの課題に対する具体的なアクション内容を記載しています。

詳細はこちら:https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/materiality.html

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②ESGのカテゴリーに分類して記載する

ESGの各カテゴリーで、注目度が高いテーマは以下の通りです。

環境:気候変動や水質汚染、森林破壊、生物多様性保全といった環境保護のための取り組み

社会:女性活躍を含むダイバーシティ&インクルージョンや労働条件の改善、人権尊重、人的資本主義、などへの取り組み

ガバナンス:役員報酬などに対するインセンティンブ設計や積極的な情報開示、贈収賄・汚職の防止といった管理体制強化への取り組み

伊藤忠商事株式会社は、ESGの各カテゴリーに対する具体的なアクション内容を記載しています。

伊藤忠商事 - サステナビリティ
引用:伊藤忠商事 – サステナビリティ

環境情報の公開ページは、環境方針や環境マネジメント、気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)といったテーマの下に詳細なアクション内容や目標が記載されています。

「具体的な取り組み」は、各社によって異なり、特徴を出しやすいポイントになります。

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レポートや資料

企業や組織が、サステナビリティページにパーパスや具体的な取り組み内容を記載することは重要ですが、その取り組みを行なっていることを継続的に発表することも大切です。具体的な数値やデータの開示を行いましょう。

伊藤忠商事株式会社は、ESGのカテゴリー別に数値データを年度別に開示しています。例えば、環境の項目では、エネルギー消費量、GHG Scope1〜3の排出量や水資源(取水・排水量)、紙資源などに関するデータが開示されています。社会の項目では、育児・介護関連制度取得状況や男女別採用人数、労働安全衛生、女性管理職比率に関するデータが開示されています。ガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制早見表や取締役会開催実績などのデータが開示されています。

伊藤忠商事株式会社のサステナビリティについて詳しくはこちら

花王株式会社 - サステナビリティ
引用:花王株式会社 – サステナビリティレポート

花王株式会社がウェブページで開示しているサステナビリティレポートでは、見やすさを工夫するため、自社で掲げている独自のマテリアリティ別でも情報を確認できるよう工夫されています。

花王株式会社のサステナビリティレポートについて詳しくはこちら

最後に

全ての企業や組織は、素晴らしいパーパスやビジョンを持って事業活動を行なっています。しかし、それらの情報は、適切に発信しなければ、投資家や消費者といったステークホルダーに伝えることができません。サステナビリティやESGに対する取り組みも同様です。企業や組織全体で取り組んでいることを分かりやすく、かつ透明性を持って情報発信することが今後ますます重要になっていくでしょう。

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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