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ドバイ万博 | 気候変動と生物多様性を考える

こんにちは!191カ国が参加をしているドバイ万博ですが、6ヶ月に渡って以下10個のテーマそれぞれにフォーカスした週を設けています。

  1. 気候変動と生物多様性
  2. 宇宙
  3. 都市と地方の創生
  4. 耐性と包括性
  5. 知識と学び
  6. 旅行と接続性
  7. 世界の目指すゴール
  8. 健康とウェルネス
  9. 食と生活
  10. 水資源

 

今回は1つ目の「気候変動と生物多様性」について、具体的にどのようなメッセージを発信し、どのようなイベントやセミナーを開催したのかについてご紹介いたします。

 

テーマ別それぞれのトピック

・地球を守ろう:全員が一丸となって、今の生態系を守る行動を取ろう。
・持続可能な未来を:地球の限界点を超えない人間活動をしよう。
・気候変動を食い止めるアクションを起こそう:歴史に気候変動を食い止めた世代と刻もう

 

生物多様性について考えるジェンガ

生物多様性と気候変動はあまり関係がないように思われますが、様々な生き物がいてくれることで私たちの生活は成り立っています。彼らは水を浄化し、土壌を形成し、受粉を行うことで植物が育ち、気候変動の調整も行ってくれています。このように彼らが環境を整えてくれているから、私たち人間は地球で生きていくことが出来ています。

私たちは地球が今まで育んできたものを今享受しています。そしてその何か一つが欠けてしまうと、絶妙なバランスで保たれている生態系の構造というのは一気に崩壊してしまうかもしれません。それをジェンガのように見立てて、生物多様性の重要性を表現し、参加者に伝えました。

現在既に多くの動物が人間活動によって絶滅しています。そして自然環境を破壊してしまってことで、山火事や世界的大流行している昆虫の被害など、多くの影響が今私たちに跳ね返って来ています。

私たちは、経済活動と地球環境の保護を両立するための解決策を見つけなければいけません。

 

女性がリードする気候変動アクション

Climate Institute, 2019のデータによると、世界中で女性の方が二酸化炭素排出量が少ないそうです。日本ではあまりイメージが湧かないかもしれませんが、男性が働きに出て、女性が土を耕す地域では、生物多様性については女性の方が知識が豊富です。また、UNFCCC, 2019の調査によると、女性の政治的地位が高い国では、二酸化炭素の排出量が少ない傾向にある、というデータが出ています。産業革命前と比較して気温上昇を1.5度未満に抑えるという目標達成のためにはもうあまり時間が残されていません。

  • 環境ガバナンスへの女性の政治参加とリーダーシップをどのように確保するのか。
  • 女性はどのような役割を果たすのが良いか。
  • 女性の持っている豊富な知識をどう記録していくのか。

より良い未来のために、L’Oréal副社長のAlexandra Palt氏などを招いてパネルディスカッションを行いました。

 

地球への約束。あなたは何を約束しますか?

現在世界中で、気候変動に対して、アクションを起こしている若者がたくさんいます。COP26の開催に合わせて日本でも集会が行われました。ドバイ万博は3人の環境活動家を招待して彼らの体験やデータを用いて地球が今機器的な状況にいることを伝えたり、その他多くの人々が気候変動に対する考えを披露したり、パネルディスカッションなどが行われました。

公式サイトにアップされた動画▼
https://youtu.be/zqKwwqvjVPU

「あなたはこの危機を乗り越えるためにどのような約束、アクションを起こしますか?」と問いかけて来ます。私たち1人1人がチェンジメーカーであると自覚し、世界で今どのくらい危機感が高まっているのかが伝わる映像だなと感じました。

 

小島嶼開発途上国(SIDS)のエネルギー転換

面積の小さい島に住む人々は、地球温暖化で海面が上昇すると一番に影響を受ける人々だと言われています。しかし、島のエネルギーを賄うためには化石燃料に頼らざるを得ないという現実があります。このイベントでは、小島嶼開発途上国のエネルギー変換の進歩について、どのようなエネルギーをしようしているのか、資金などについても紹介しました。

 

現在の生活を見直す

持続可能な方法での生活、エシカルなライフスタイル、と聞くと、不便で、高価だというイメージがある方もいるかもしれません。しかし、地球と私たちに残された時間はあまり多くはありません。

  • 誰もが手頃で、快適に環境に優しい生活を送るためには何が必要なのか。
  • 環境と社会のバランスをどう保つのか。
  • そのために政府機関、企業、個人は何ができるのか。
  • コロナが私たちに教えてくれたことは何か。
  • 今世界で最善だと言われているテクノロジーや方法から私たちは何を学べるのでしょうか。

このようなことをパネルディスカッションで話し合いました。

 

地球の再構築

私たちはこれまで、より豊かで便利な生活を求めて来ました。その結果、自然の循環では追いつけないほど深刻な状況に来てしまっています。私たちは大きな影響を与えているからこそ、ネガティブな影響とポジティブな影響、どちらも当たることが出来ると思いませんか?現在、世界中で革新的なアイディアが生まれています。例えばCO2を回収して、化石燃料が貯蔵されていた層に送り込む技術などが挙げられます。気候変動を抑制する技術、または気候変動に適応するための技術についての紹介や、この新しい技術を活用する上での(生態学的、地政学的、または倫理的)リスクはどのようなものか。そしてこれらを使用するにあたり、誰が管理し、利害関係の公平さを保つためにはどうすれば良いのか。

上記のようなことを話し合い、情報を共有しました。

 

その他のイベント

野生生物や生物多様性の保全に関しての世界的な取り組みの紹介と、私たち個人はどのような事ができるのか。また、山岳地域の開発について、この地域の伝統的な生態系を保護するための取り組みの紹介や、地元の人の知識の共有するイベントなども行われました。

 

最後に

以上が1つ目のテーマ「気候変動と生物多様性」に関して取り組む週間に行われたイベントやセッションでした。今人類は大きな岐路に立たされています。COP 26だけでなく、こうしてドバイ万博、そして4年後に続く大阪万博もテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」とあるように、今からこの気候変動には積極的に取り組んで、一人ひとりが考えていく必要があるのではないかと感じました。

 


 

最後までお読みいただきありがとうございます。

実際にドバイ万博へ行ったレポートも「あすてな」で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

<参考>
https://www.expo2020dubai.com/en/experiences/theme-weeks