05/04/2021

ドバイ万博 | Terra（テラ）パビリオンについて

新型コロナウイルスの影響で、約1年間の延期が決まったドバイ万博だが、いよいよ10月に開催が迫っています。そこで今回は改めて、ドバイ万博の概要と、サステナビリティーをテーマにしたテラというパビリオンについて説明します。

ドバイ万博概要

正式名称：2020年ドバイ国際博覧会
開催期間：2021年10月1日から2022年3月31日
開催場所：UAE（アラブ首長国連邦）ドバイ

そしてこのドバイ万博のメインテーマは

「Connecting Minds, Creating the Future（心をつなぎ、未来を創る）」

サブテーマは

(1) Mobility（可動性）
(2) Opportunity（機会創出）
(3) Sustainability（持続可能性）

の3つとなっています。

Terra（テラ）ーサステナビリティーパビリオンって？

ドバイ万博の会場の中には様々な建物があるが、その中でも重要なのがこのTerra（テラ）という建物です。大地・地球を意味する「テラ」と名付けられ、建物の周りには自然と、18本の「エナジーツリー」があります。これらは、１０００枚以上のソーラーパネルが備え付けられ、太陽を追跡することができる太陽光発電装置です。それらでこの会場の多くの電力を賄っているのだ。それだけではなく、湿った空気から水を回収する技術や、水の使用量を７５％削減することを目的とした中水リサイクルシステムも設置されています。

建物の中は、タイムトラベルするような形で設計されており、初めは生命が誕生し自然と共に変化をしていくが、終盤では自然を破壊し、持続可能なペースを超えてしまっているというメッセージを訴えています。

次に案内されるのは、何千ものソーラーパネルがついた天蓋（てんがい）の下です。そこには移動遊園地にあるような巨大ピンボールマシンや、乗ることで世界が直面している問題でバランスを取ることを体感できる自転車もあるそうです。次は360度空間に案内され、海の下や熱帯雨林など自然界の美しさ、さらにプラスチック入りのツナ缶を大衆に売りつけるフェイクテレビCMなどを通して、痛烈に現実を突きつけられます。

このように、タイムトラベルは、全体的に「問い」を投げかける構成になっています。様々な場所に設置された質問コーナーでは、「地球を守るか、火星に行くならどちらを選ぶ？」などの問いに対し、自分たちの答えの選択を促される。この質問コーナーは、訪れた人に問題意識を持ってもらうものですが、それ以上に重要なのが、スコアボードを介して最も人気のある答えを共有することで、自身の結論を導き出すことが可能になっている点です。

しかしTerra（テラ）が伝えたいメッセージは「希望」だと話すのはこのパビリオンのディレクションを担当したJohn Bull氏です。「テラでは最後に、世界中で起こっている最高のイノベーションのいくつかを紹介します。もちろん私たちは潜在的に壊滅的な状況にはいますが、タイムトラベルを通じて、現実をまずは知ること。そしてみんなで今行動を起こせば変化を起こせるのだ。ということを感じてもらいたい。」と話しています。ちなみにTerra（テラ）は万博終了後は、サイエンスセンターになる予定です。